【生まれてきたことの不思議】
沖縄戦の話になるといつも思う。うちの父や母が生き残ったから私がいるんだなぁ不思議だなあと。
けど、直前に、祖母が、「やっぱりやめなさい」といい、
「えー、乗りたかったのに。」と断念。母は、
「あの時乗ってたら、私ここにいなかったかもね。」と言う。
でも、母の家族はみな生き残った。
しみじみ、自分の命の不思議さを感じる。
母は、目の前で亡くなった人のことを思い出すとつらいそうだ。
あまり戦争の話はしたくないとも言う。
戦争にならないように、戦争に巻き込まれないように考え続け、生まれてきたことを大切に思い、亡くなった人たちのぶんまで、毎日を大切に明るく過ごすしかない。
いつまでも先の大戦を恨んでいたら先人も悲しむだろう。
母は言う。「明日死ぬという特攻隊のお兄さんたちはみな立派で優しかった。一緒に遊んでくれた。」と。散っていった命のおかげで、ここにある私の命。感謝しかない。